投票終了から、デザイン決定まで。発表までの2週間の道のり
大変長らく、お待たせ致しました……!
タンポンの新しいパッケージデザイン案を3種類公開し、3週間に渡ってSNSや街頭で人気投票を募った #NoBagForMe プロジェクト。総勢54,045票を集めた結果、それぞれのデザイン3案が獲得した得票数を発表いたします。
【A】SKY 19,686票 36.4%
【B】SIMPLE 14,502票 26.8%
【C】CAT 19,857票 36.7%
得票数の内訳は、以下の通りです。
……ということで、【A】SKY と【C】CATが、わずか0.3%差の大接戦で、Cが一番人気、という結果になりました。
あまりにも僅差だった、得票結果を受けて
0.3%という、あまりにも僅差となった結果を受けて、ユニ・チャーム社内およびプロジェクトメンバーの間で、何度も何度も議論が繰り広げられました。
「ここまで意見が割れる場合は、再検討すべきでは」
「世の中に必要とされていながらも、供給が足りていないデザインはどちらなのか?」
「AとCの2案に絞って、再投票を行ったほうが良いのではないか」
「どうにか、2案とも商品化出来ないだろうか」
「いや、工場の生産ラインを確保していない以上、それは難しい……」
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そうして議論を重ねること、1週間。
まずは「SNSの投票数により商品化を決める」という皆様との約束通り、年内に【C】CATのパッケージデザインで、タンポンを商品化することが決定しました。
(※文言等は変更する可能性もあります)
仮デザインだった個包装は、いただいたご意見を反映し、パッケージ側のデザインと統一感を持たせました。
・普通の日用:水色
・多い日用:若草色
・特に多い日用:すみれ色
という、やさしい3色展開。
近く生産を開始し、ドラッグストア及びAmazonなどで年内に発売を予定しています。(※詳細は後日発信します)
(ちなみに、現在のタンポンはこのようなデザインです。
これらの商品がなくなる訳ではありませんので、ご安心ください!)
議論を繰り返した1週間と、調整に奔走した1週間
しかし。
今回の投票期間中、本当に多くの声が届いていました。
「これまで生理用品といえば、花柄やハート、猫などの可愛いデザインが多かった。せっかく新しい取り組みなのだから、新しい価値観を提示するべきでは?」
「人気投票という手法で決めてしまうと、マイノリティ側の意見が反映されなくて悲しい」
「A案もB案もC案も装飾的すぎる。もっとシンプルなものが欲しかったのに……」
「女性らしいものが好きな人ばかりではないのに、やはり可愛らしい、人気のあるデザインが勝ってしまうのか」
他にも様々なご意見が、SNSやお問い合わせ窓口に連日届いていました。街頭投票では、メンバーに切実な想いを打ち明けてくださった方も。
そもそも、ここまでSNSを活用した商品開発はユニ・チャームとしても初めての取り組み。通常の市場調査には慣れているスタッフ一同ですが、SNSを介して届けられる様々な生の声に多くの発見や驚きがあり、悩み続けていました。
一方を選べば、一方をがっかりさせてしまう。シンプルなデザインを好む方、可愛いデザインを好む方、すべての生理がある方々の願いを、最初から100%叶えることはあまりにも難しいことでした。
「どうにか両方、商品化出来ないものか?」
せめて、僅か0.3%の差で次点となったA案【SKY】も、求めてくださった方々の手に届けられないか。
それが、議論の末に出した方向性でした。
──そこから、怒涛の1週間。担当者は、様々な生産調整対応に奔走しました。その結果、「ナプキン、ライナーであれば、なんとかタンポンと同時に生産・販売できそうだ」という可能性が見えてきたのです。その結果、
【A】SKY ナプキン・ライナーも、商品化が決定!
……と、いうことで、当初の計画とは一部変更となることをお許しください。
C案【CAT】は予定通りタンポンのパッケージとして、
A案【SKY】は急遽、ナプキン、おりものシート(パンティライナー)のパッケージとして、
商品化することに決まりました。
もちろん、この結果で全ての方の「これが欲しい!」というニーズに応えられていないことは、私たちも強く認識しています。
そして、パッケージデザインだけで解決できることは、本当にごく一部でしかありません。
より本質的な部分では、もっと快適な生理用品を開発できるように、日々研究を重ねているチームがいます。また、日本を飛び出し、男女格差の大きな国で初経教育や生理用品の普及に奔走するチームもいます。
今回のプロジェクトは、そんな様々な課題解決の、ほんの一端でしかありません。
ですが、 #NoBagForMe はユニ・チャーム全体を通しても、類をみないほどお客様からのご意見をいただいたプロジェクトとなりました。ここまで社会から関心を持って取材していただき、多くのご意見をいただくことは、前代未聞の出来事です。
ここでいただいた沢山の切実なご意見を今後の糧として、課題解決に努めて参ります。
親しみやすいタンポンと、シンプルなナプキンの必要性
以下は、年代をあわせてヒアリングした街頭投票の様子です(ボードは途中経過)。
ちょっと見えづらいですが、シールの色で年代、性別を分けています。その結果、一概には言えませんが、【C】CAT案は10代からの支持が、【A】SKY・【B】SIMPLEは20〜40代からの支持が厚いことがわかります。
ただ実際のところ、10代でタンポンを使用しているのは全体の約10%。かなり普及率が低いのです。
特に若年層からはタンポンに対する「痛そう」「ちょっと怖い」というイメージが強く、多くの初経教育ではナプキンの使い方しか教えられないことからも、普及が遅れている現状があります。
ですが同時に、タンポンを正しく使っている方の満足度は著しく高い!(「新宿で街頭アンケートをした際、「タンポン大好き!絶対に買うね」と言ってくださった30代女性の方、ありがとうございました……!)
意外と知る機会が少ない、正しい装着方法はこちらをご覧ください。
もちろん、「10代の女性」の趣味趣向も、ひとくくりにすることは出来ません。でも、猫のパッケージを「初めてのタンポン」として、手にとってくれる女子中高生もいるかもしれません。
そうして、クラスメイトが持っている猫の箱が「それ、なになに?」と、話題の種になり、タンポンについて、生理について語り合うきっかけになるかもしれません。
パッケージには、「I’ll be by your side whenever you need me.(必要なときは、そばにいるよ)」というメッセージを添えています。愛らしいパッケージがきっかけになり、人生で500回ほどもあると言われる生理週間に寄り添い、少しでも快適に過ごして欲しい。そうした願いを託しています。
▼急遽、販売が決定した【A】SKYデザインのナプキン・おりものシート
そして、様々な性自認・嗜好の方々から需要があるものの、可愛らしいものや、エレガンスなデザインが目立っているのが、現状のナプキン市場。
ジェンダーレスなコンセプトを託した【B】SIMPLEの商品化は叶いませんでしたが、【A】SKYの装飾要素を削ぎ落としつつ、ブラッシュアップを進めています。
(※文言等は変更する可能性もあります)
タンポンのパッケージ案として発表していた時に入っていた文字要素を削ぎ落とし、よりシンプルなデザインに。中の個別ラップも、色や柄などの要素を省く方向で検討中です。
ユニ・チャーム史上No.1と言えるほど、シンプルなデザインのナプキン・おりものシートの登場です。
【参考】現在販売されている、ユニ・チャームのナプキン(一部)
……以上、商品の発売に向けての詳細は今後、こちらの公式noteや、Twitter、Instagramで随時お知らせさせていただきます。
改めまして、投票に参加いただいたみなさまにお礼を申し上げます。
ありがとうございました!
生理のことを、正しく知り、語り合うために。これからの活動について
そして、このプロジェクトはまだまだ続きます。
女性特有の病気について、知識を得るためのコンテンツを発信したり、
それぞれのお悩みを、語り合える場所を作ったり……。
商品完成まではしばらくお待たせしてしまいますが、その間、商品では解決できないさまざまな課題に取り組んで参ります。
引き続き、 #NoBagForMe プロジェクトをよろしくお願いします。
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